物質循環と触媒
Material Circulation and Catalysts
高機能な触媒や革新的な高分子材料を創製し、資源消費や廃棄物を削減した「資源循環型」社会の実現を目指します。
現代社会は、大量のエネルギーを消費して作られる物質に依存しています。持続可能な社会の実現には、こうした物質およびその生産過程に関連した課題を解決する必要があります。本プログラムでは触媒化学を基盤に、ビッグデータや理論解析等の情報科学を活用しながら、大気・水・普遍元素といった豊富に存在する資源を利用する効率的な化学合成手法を開発します。また、自己修復性や生分解性を備えた革新的な高分子材料を創出し、環境調和型・資源循環型の社会に資する化学的アプローチを開発します。
地球公共資源の資源化
窒素や二酸化炭素等の豊富な大気資源をはじめ、普遍元素や地殻資源といった地球公共資源から有用物質を合成できる高機能な遷移金属触媒および生物触媒を開発するほか、鉱物資源と多様な水資源を利用した水素製造触媒の開発にも取り組みます。これにより大規模かつ低コストで資源を確保することが可能になります。また、資源や触媒の再利用手法や、環境汚染の要因となる化学物質の再資源化を可能にする技術の開発も進めます。
環境調和型の革新的ポリマーの開発
独自の触媒を利用した自己修復材料の開発のほか、化石資源由来プラスチックの代替となりうる、バイオマス(化石資源を除いた生物由来の資源)を原料とした海洋生分解ポリマー等の開発に取り組みます。また、ビッグデータ・AI・数理を利用したマテリアル・触媒インフォマティクスを取り入れることで、新規のバイオポリマーを創出します。
副プログラムリーダー
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阿部 英喜
Hideki Abe -
中村 龍平
Ryuhei Nakamura
持続性のある人類の発展のため、化学の役割は
ますます重要になっています。資源を循環させる
サーキュラー型社会を目指して取り組みます。